風にゆれる優雅な花は、アヤメなどよりも和の風情が感じられます。
北海道から九州、そして中国と広く分布する野草で、地域による変異も見られます。
古くから観賞用に栽培され、平鉢仕立てから石組みの間の植えこみ、盆景にも良いもので、造園の植栽にも使われます。
名前はシャガの小型ということですが、花が似ているだけで、性質はかなり違います。
シャガは常緑性、日陰向きで地下茎が長く伸びて広がり、3倍体で種子はできません。
ヒメシャガのほうは、落葉性、日当たりを好み、株はよくふえますが、地下茎は出ません。2倍体なので種子は実ります。
根は針金のように細く強靱で、岩場でもしっかりと根が張り、乾燥にも耐えます。
シャガという、少し変わった名前は、ヒオウギの漢名、射干に由来します。
シャガの漢名は胡蝶花なのですが、シャガのほうがヒオウギよりも扇のように見えます。
シャガとヒオウギ、名前を逆にしても良さそうです。
姫ヒオウギは別にあるので、ヒメシャガはそのままでしょうか。