名前に甲斐とつく植物には、カイフウロ、カイコバイモなどがあります。
本種もその一つで、山梨県南部に自生し、植物分類上はスルガジョウロウホトトギスと同種ですが、園芸的には区別しています。
花数が多く房になって咲くこともあり、性質は強く栽培は容易です。夏の直射光でもほとんど葉焼けしません。
ジョウロウは上臈で、修行を積んだ徳の高い僧、あるいは貴婦人、女官という意味だそうですが、あまり馴染みがないですね。
ホトトギスや油点草の名前も、ジョウロウ系には似合わないものです。
カイ、スルガの他、キイ、トサ、サガミがあり、日本の固有種で絶滅危惧種ですが、苗はよくふえるので、ぜひ大鉢で豪華に咲かせたいもの。輸送や流通のむずかしいものは自分で仕立てるのが確実です。
ところで、地名のつく植物はたくさんあり、わかりやすくて親しみやすいのですが、エゾとかツクシとか、あまり多いとかえって個性がなくなりそうです。各地域で5~10種類位が良いように思います(ヤツガタケとつく植物は8種類あります)。
次回はタデをお送りします。