城壁とか石垣のすき間などに育って咲く花です。壁際で待ちぼうけの花ではありません。
和名はニオイアラセイトウ。ストック(アラセイトウ)に近い仲間で、古い学名のケイランサスの名で流通することも多く、エム・アンド・ビー・フローラでも園芸品種を扱っています。
現在はエリシマム属に分類され、ストックと異なるのは、オレンジやイエローの明るく鮮やかな花色が多いことです。八重咲きもタネがとれるので、まだ育種の可能性はあると思います。
園芸店では、肥培して大きく育ったものや、矮化剤でちぢこまった苗も見られますが、やはり古壁に根づいて自然に咲いている野生種の姿は風情があって良いものです。
それにしても、か弱そうな植物のどこにこんな強さがあるのかと思います。他にも、逆境に生きるスキマ植物、アスファルトをつきぬける芽、そして根が張ってプラ鉢をこわしたり、地下茎がポリポットをつきぬけたりと、まさに植物おそるべし。この強さが環境をささえているのかもしれません。
次回はムラサキです。