アップで見るとキリの花のようにも見えます。
愛敬のある、いかにも秋らしい雰囲気が感じられる花で、華やかさはないものの、花数が多くにぎやかです。
かつてはプレクトランサス属に分類されていて、鉢物で出回る半耐寒性のモナラベンダーやケープエンジェルなどによく似ていますが、本種は東アジアの野草で耐寒耐暑性強く、日本全国で作れます。
岐阜県以西にアキチョウジ、東日本にセキヤノアキチョウジ、日本海側から北海道に同属のクロバナヒキオコシが自生していて、うまく住み分けをしています。
青紫、桃、白の花色があり、草丈1m位になりますが、摘心して低く咲かせたり、挿し苗による小鉢仕立ても容易です。
茶花としても風情があります。
花がからまるので、切り花としての流通は困難で、これは、からみぐさと呼ばれたカラミンサと同様です。
丁字というのは、スパイスのクローブのことで、蕾を乾燥させ、粉末にしたものが市販されます。
辛味、苦味、甘味の混ざった独特の風味で、抗菌効果抜群です。