Spiraea thunbergii
ユキヤナギと言えば、春に咲く白いお花を想像する人が多いと思いますが、紅葉も黄色味の強いオレンジ系~紅色となかなか美しい花木です。以前は中国原産といわれていましたが、最近の研究では日本各地に自生種がある事が分かってきました。現在流通している白花系の多くは、そういった在来種からの選抜種のようです。
つぼみの頃にピンク色で、咲くとほのかな桜色になるピンクユキヤナギという品種も人気があります。こちらは少し寒さに弱い性質なので、寒冷地で育てる場合は冬囲いなど適切な管理を行って下さい。
在来種や斑入りなどの白花種はどれも丈夫で、特に手入れをせずとも毎年きれいなお花を咲かせてくれます。枝ふきも良いので剪定に強く、じゃまになるような伸びすぎた枝を剪定するなど、最低限の管理で良いでしょう。
ただ、意外と乾燥に弱いので、夏の間にカラカラになってしまう場所や、土壌が浅い場所では工夫が必要です。どちらかというと水分の多い環境に適しています。ユキヤナギが含まれるシモツケ属の多くは、湿原や樹林に自生するものが多いことから、水が好きな植物である事が分かります。
モミジやドウダンツツジとはひと味違った紅葉の姿を見せてくれるユキヤナギ、春のお花も楽しめますのでお庭の一員に加えて欲しいと思います。