Hakonechloa macra var. aureola
風知草、裏葉草とも呼ばれますが、いずれも和風の名前が付いています。それもそのはずで、箱根草は日本固有の植物です。写真の斑入り品種は欧米でも人気で、ジャパニーズグラスの一つとしてよく知られています。
標準和名はウラハグサなので、学者さんらしい目の付け所だなぁと思います。フウチソウは風の通る方向に葉が並んで育つ姿から、風を知る草と命名されたそうです。箱根草とは最初に確認された箱根山から来ています。
この学名を付けた学者は、日本の植物学では特に有名な牧野富太郎博士その人です。この植物がウラハグサとして知られるようになったのは意外と近年のことで、同じ環境に生えているヒメノガリヤスという植物と区別していませんでした。
イネ科の見分けは難しい種類が多いのですが、ヒメノガリヤスとウラハグサの違いは分かりやすいほうです(イネ科の中では)。そうはいっても難しいものは難しいという人には、この写真のように穂が出ている時期が見分けるチャンス。
ヒメノガリヤスの穂はとても短くて、写真のようにふんわりした姿になりません。みすぼらしいとまではいいませんが、小さな穂しか出ませんのでウラハグサとは一目で見分けられます。
ちなみにメジャーではありませんが、ヒメノガリヤスにもいくつかの斑入り品種が知られています。ちょっと人と違うものが育ててみたい方は、探してみて下さい。