秋牡丹は江戸時代の文献の表現で、今ではあまり使いません。シュウメイギクの白一重咲きと呼ぶのが一般的です。海外ではジャパニーズアネモネと呼ばれて、晩夏から秋遅くまで咲いてくれる宿根草として人気者です。
写真の白一重咲きは昔からある在来種で、八重咲きのキブネギクと同じ時代に中国から日本に入ってきた帰化植物と言われています。桃一重咲きは、キブネギクと白一重咲きの交雑で誕生したとされています。
白一重咲きは在来種の中でも生育が旺盛で、暗い環境でも育てやすい宿根草です。1m以上の草丈になるので切り花にも利用され、茶花として馴染みの秋のお花です。
細く硬い茎は見た目より強靱で、強風で折れたという話はあまり聞きません。台風のような強い風の時も、茎全体をしなやかに揺らして対応します。咲き始めの一番花はほぼ真上を向いて咲きますが、二番花以降は斜め下を向いてしまうお花も出てきます。
お花が重いせいでうなだれるというわけではなくて、品種によって横向きに咲きやすい傾向があるようです。最近の品種は鉢植えで楽しむのに向くように、人の目線に合わせて横向きに咲くお花が増えてきました。時代やニーズに合わせた品種改良が進んでいるようです。