Begonia grandis Dryand.
9月に綺麗に咲いていたシュウカイドウも、今ではすっかり枯れ枝が残るのみです。その中に面白い形の実を見付けました。
シュウカイドウは一般に、葉に発生するムカゴで増殖します。小さなイモのような物から芽を出し、茎を伸ばして生長します。
このような増え方を栄養繁殖といっています。遺伝子の点では親と同じ性質なので、お花の色や斑の有無、葉裏の色など
ムカゴの付いていた親と同じ株に育ちます。
これに対して写真のように、実になって種子から生まれた株の場合は、花粉親の遺伝子を受け継ぐので、親とは別の花色、
葉の色に育つ場合もあります。
ムカゴは株元に落ちて親と一緒に集団を作り、羽の付いた実は風で遠くまで転がって、親とは違う集団を新たに作ります。
遺伝子の多様性や伝播という性質を、文字通り体現している点で面白い植物だと思います。