早春のフクジュソウ

フクジュソウ

Adonis ramosa

 

毎年、気付いたときには咲き進んでいて、咲き始めの可愛い姿を見ることが難しいフクジュソウですが、今年はちょうど咲き始めのお花に会うことが出来ました。

日本に4種あるフクジュソウのうち、本種が最も一般的で山梨県内にも自生地が数カ所有ります。私は身延町のフクジュソウしか見たことがありませんが、山の斜面に作られた畑の脇に生えていたり、神社の裏手の小川沿いに生えていたりと、人の生活圏に近いところで見ることが出来ました。

鈴鹿山系の藤原岳で見たときは、7合目付近の林の中で咲いていて、自然の中で咲く様子に神秘的な美しさを感じたものです。長野県の板沢地区もフクジュソウが見られる場所で、こちらは開けた斜面の畑脇やあぜ道で咲いているのを見られます。

何かと身近な存在のフクジュソウは、きれいな花には……の例え通りに毒があります。そのお陰でシカの食害にも遭わずに、毎年きれいに咲いてくれるのですが、お庭に植える際には毒草である事を考慮して植える場所を決めてください。

お花が終わるとワサワサと伸び出す葉はとてもボリュームがあり、一見するとよく茂ったニンジンの葉のように見えます。ニンジンとは思わなくとも、セリの仲間の山菜に似ているため、誤食して中毒を起こす人も少なからずいるようです。

フクジュソウにはセリ科特有の香りはありませんので、山菜採りをする方は注意して下さい。