冬のナツユキソウ

ナツユキソウ冬姿

Cerastium tomentosum

 

関西や暖地では夏越しが難しいセラスチウムです。シロミミナグサとも呼ばれて、GW頃に白いお花を一杯に咲かせたポット苗が出回ります。ペレニアルガーデンでも植栽の中に植えてしまうと、長雨で蒸れて枯れることが多くあります。暑さよりも湿度に弱いのかもしれませんね。

 

幸いにも石垣の間や石組みのわきに植えた株は丈夫で、毎年大きくこんもりと育っています。今年は寒さが早く来たせいか、葉の表にアントシアンがのってまるでパープルセージのような雰囲気になりました。例年だと年末に多少色がのるかな? くらいなので、今年の冷え込みの厳しさを感じさせます。

 

高山性のナデシコやミミナグサの仲間は、夏越しの難しいものが多いのですが、花の後に挿し木をする事でうまく夏越しして、秋から冬で充実した株を育てることが出来ます。関西で高山植物を楽しまれている方には当たり前の方法と思いますが、どうも最近の傾向として夏に枯れるお花は仕方ない、買い換えるのが当たり前、という考え方が一般的になりつつあるような気がしています。

 

植物の持つポテンシャルは、人が考える以上に素晴らしいものです。ほんのちょっと手をかけて後押ししてあげるだけで、無理だと思っていたことが出来る事も多くあります。趣味の園芸だからこそ、工夫して楽しみを広げて頂けたらと思います。