先日紹介したオニユリの完全八重咲き品種です。熊本で発見されたと言われています。ユリの八重咲きは珍しいので、なかなか貴重なお花だと思います。何枚もの花びらが舞っているようで、よりオニっぽさが増している感じです。
雌しべも雄しべも全て花びらになってしまっているので、このお花には種子ができません。でも、オニユリであったことが幸いして、たくさんのムカゴを付けるためすぐに普及しました。
ムカゴを付けないコオニユリだったら、鱗片刺しや場合によってはメリクロンなど増殖には時間が掛かったことでしょう。わたしが子供の頃に、クルマユリという山野草として人気のあるユリの八重咲きを見たことがあるのですが、今でも残っているのでしょうか。
園芸にたずさわるものとして、珍しいもの、美しいものを追い求めるのは間違っていませんが、それを増殖して普及させることも重要です。栽培技術の向上だけでなく、増殖の方法や技術も磨いていきたいものです。