Arisaema ringens
漢字で書くと「武蔵鐙」。お花の形を上下逆さまにみると、馬の鞍に付ける鐙(あぶみ)の形に見えることから武蔵国の
特産品として知られる鐙に擬えて、ムサシアブミと名付けられました。平安時代には既に武蔵国は馬具で有名だったそうで
とても歴史を感じる名前です。
テンナンショウ属は、ガーデン周辺の林でも自生しているマムシグサの仲間、山野草で人気のユキモチソウなど面白い形の
種類が多いです。実はこの花に見える部分は、仏炎苞(ぶつえんほう)というもので、本当のお花は中に小さく集まっています。
ムサシアブミは関西以南で良く見られる野草ですが、耐寒性は意外に高くて小淵沢のガーデンでも毎年少しずつ
増えている程です。サトイモ科は一般に寒さに弱いものが多いですが、テンナンショウ属やアラムなど寒さに強い種類も
ありますので、一風変わった日陰向きの花材として植えてみてはいかがでしょうか。