Chrysanthemum ornatum Red form
今年のアカバナサツマノギクはピンクの濃度もお花のサイズも標準的で、可もなく不可もなくという感じです。花びらが乱れているのは寒さに対する反応からで、暖かい状態が続くと平らで整った姿になります。
日中と夜温の差が激しいと起こる現象です。サツマノギクは暖地性の植物なので、小渕沢の寒さは苦手でしょう。サツマノギクに限らず、ナカガワノギクやシマカンギクのお花も花びらに乱れが出ていますので、今年の冬は野菊にとって寒い夜が続いているようです。
もともとの自生地が鹿児島県や熊本県の海岸沿いなので、極端に寒暖差が生じない環境で咲くお花といえます。イソギクを始めとして、野菊の仲間には海岸沿いや渓流の岩の上など、水辺に生える種類が多くあります。
特に寒冷地でお花を育てる場合は、ラベルに記載されている耐寒性だけでなく、元になった原種の自生地の環境も参考にすると、管理のポイントが分かってくると思います。
日当たりや土壌の状態、風が吹き抜けるかどうかなど、いろいろな条件で栽培環境は変化します。場合によっては温度計で調べてみたり、時間を変えて日当たりの状態を確認するのも役に立ちます。無理なく育てられる環境を作ることが、上級者への近道です。