ノリウツギ・ミナズキ

先日のユニークとは違って、こちらは装飾花ばかりになってしまった品種です。ひとつのお花はそれ程大きくなく、花房も大きくはなりますが、ユニークほどにはなりません。

別名がピラミッドアジサイなのは、円錐形になる花房のことです。カシワバアジサイもこう呼ばれることがあります。アナベルは球形に育つ花房になるので見分けるポイントの一つです。

開花の時期を除くと似た点が多いと思われがちな、アナベルとミナズキには意外と多くの違いがあり、ガーデニングシーンでは使い分けを考えて頂きたい素材でもあります。

一つは、葉の様子の違いです。アナベルは薄くて大きい葉を付けるため、強風に弱く台風などですぐにボロボロになってしまいます。対してミナズキの葉は硬くほっそりしていて、ある程度の強風に耐えてくれます。

枝の強さにも違いがあって、アナベルは節間が伸びやすいこともあり、お花の大きさの割に細くてたよりない茎です。出来れば支柱で支えてあげたいくらいで、良く管理されたガーデンでは必ずといっていいほど支柱を設置しています。

ミナズキは剪定をしっかり行っていれば、支柱が必要な弱い枝も出ないため、それ程手を掛けずとも大丈夫。ペレニアルガーデンでも支柱を使っていません。

最後に枝の寿命の違いがあって、アメリカアジサイの品種であるアナベルの枝は、バラに近い性質があるのである程度成長すると老化が進みます。毎年地中から伸びてくるひこばえを仕立て直すのが一般的です。

ノリウツギの品種のミナズキは、盆栽として育てている趣味家もいるくらいで、寿命の長い幹として育つ枝になります。その分成長はゆっくりです。

一概にどちらが優れているとは言えない両種です。手が掛かるけれど成長が早くて豪華に咲くアナベル、手間を掛けずに楽しめるけれど成長がゆっくりでたくさん咲くまで時間が掛かるミナズキ、と覚えて頂いて、ご自分に合ったほうを楽しんで欲しいと思います。