Athyrium niponicum CV.
ニシキシダは日本全国に広く分布する夏緑性のシダで、イヌワラビの葉模様が美しいものを選抜したものです。日本庭園で良く用いられたせいか、ヨーロッパでは早くから知られて人気があり、多数の品種が選抜されています。
写真のニシキシダは、おそらく「ピューターレース」という品種と思いますが、良く似た「シルバーフォール」もありますので見分けるのは難しいと思います。他には葉柄と羽状複葉の元付近が赤紫色に染まるバーガーンディレース、全体にシルバーが発色する「ゴースト」などがあります。
直射日光を避ければ栽培は簡単で、日陰を明るくしてくれる素材としては、最高の植物の一つではないでしょうか。シダ類は害虫が付きにくく、病気にもほとんどかかりませんので、手を掛けずに楽しみたい方にうってつけです。
長く育てていると、胞子から新しい株が発生することがあります。写真の右下に黄緑色でシルバーの発色がない株が写っていますが、これは胞子から生まれたイヌワラビでしょう。ニシキシダとしての特徴を保つには、株分けによって増やす以外は難しく、だいたいは普通のイヌワラビに戻ってしまいます。