Aconitum sp.
古今東西、毒性の強さで知られており、物語やドラマの題材でもよく使われています。名前を聞いただけで「恐ろしい」
と思う方が多いのではないでしょうか。お花は青紫のデルフィニウムに近いきれいなものです。
全草に毒性があるので取扱に注意は必要ですが、毒性の強弱の幅が大きくハナトリカブトなど切り花として利用される
種類も多くあります。塊根を処理したものは「附子(ぶし)」と呼ばれ、漢方薬として利用されますが、もともと強い毒性の
植物ですから、素人が安易に使ってはいけません。
日本にも多くの原種があり、変異が多いことから30種類以上にも分類されています。いわゆる「学者泣かせ」の同定の難しい
植物の1つです。小淵沢周辺の林でも、ヤマトリカブトなど数種類を見掛けます。
九州の一部にはとても珍しい、ツル性のトリカブト、ハナカズラ(A. ciliare DC.)という種類があります。お花はそのままに
ススキやヨモギなど背の高い他の草に絡みついて咲く姿は、かなり面白いと思います。残念ながら絶滅危惧種なので、
おいそれと見ることが出来ないのが惜しまれます。
花材としてもユニークな種だと思いますので、実生で増やして流通にのせてくれる方がいないかと期待しています。