Lilium formosanum
一見すると不思議なつぼみ? のようにも見えますが、これはタカサゴユリの熟す前の実です。完熟すると薄茶色になって縦に三つに割れて中からタネが出てきます。
ユリの種子は薄い膜ではさまれた、薄べったい形をしています。半透明でオブラートのような、種子の何倍もの大きさの膜です。これのお陰で風に乗って遠くまで飛んでいくことが出来るので、ユリは広範囲に生育地を広げられるのです。
その中でもタカサゴユリは大量に種子を作る種類で、原産地の台湾から日本に入ってきた植物です。現在は「侵入生物」や、「外来種」と呼ばれますが、以前は「帰化植物(帰化生物)」という呼び方が一般的でした。
お花がきれいなこと、身近なユリという種類であることから、あまり邪険に扱われないせいか、近年急速に繁殖域が広がっているようです。特に芝生のような日当たりが良くて、他に背の高い植物がないところを好みます。
ペレニアルガーデンでは適度に間引いて増えすぎないようにしています。ご近所で見かけることがあっても、安易にお庭に持ち込まないようご注意下さい。