クロッカスの季節その二

クロッカスの黄色の花

写真は黄色のクロッカスで、おそらくクリサンサス種の品種と思います。かたまって咲いて揃いもいいので、春先のガーデンにはうってつけです。株の外側にしおれた状態のお花があるのが分かるでしょうか。

薄いセロハン紙をくしゃっと細くつぶしたような花がらで、やがて水分を失ってもっと小さく縮んで地面に落ちます。このように老けたお花が自然に落ちたり目立たなくなって枯れていくものを、「セルフクリーニング」と表現します。セルフクリーニングしてくれるタイプのお花なら、花がら摘みの必要がないので手入れが簡単です。

屋上緑化や道路沿いの植え込みなど、人手が掛けられない場所に植えるお花には、セルフクリーニングの性質が求められます。あるいはお花の咲かない観葉植物や、カバープランツのような植物も利用されます。

春や秋の短い期間だけ地上に現れて、花を咲かせて枯れてくれる球根類も、季節感の演出や景観の変化のための素材としてよく利用されます。中でもクロッカスは色がはっきりしている点や丈夫さ、乾燥に強いことなどから需要が高く、今後ますます色々なシーンで使われるお花になりそうです。