Sanguisorba hakusanensis Makino
ピンク色のモールのような、不思議な姿のお花を咲かせるカライトソウです。咲く前のつぼみは、硬くて一見するとお花が落ちた後の芯の部分のようにも見えます。ワレモコウも同じ仲間ですが、カライトソウもつぼみの内は小さいのに、咲き始めると一気に成長して大きくなります。
細い糸のようなピンク色の部分は、花糸(かし)という雄しべの軸の部分です。先端の葯(やく)も紅紫色なので、全体がピンク色のふわっとした感じに見えるわけです。花びらは退化しているのでありません。
咲く時期が梅雨にあたるのと、雨に濡れるとふんわり感が無くなってしまうので、なかなかよい写真が撮れていません。いつか、もう少し咲き進んだ状態をお見せしたいと思います。
漢字では唐糸草で、唐糸とは唐の国の絹糸のことだそうです。鮮やかな細い糸が集まっているように見えることから、唐糸を連想したのでしょう。草丈も1mを越える大型の宿根草で、お花の派手さから園芸品種と思われがちですが、れっきとした国産の野生種です。
性質はワレモコウに準じますが、やや葉焼けしやすいので、他の植物と一緒に植えて株元が隠れるような環境が向いているようです。ススキやガウラ、キキョウなどが似合うでしょう。うどんこ病が出やすいので、モナルダや宿根フロックスの近くには植えない方が良いかもしれません。