アナベルという紫陽花

Hydrangea arborescens ‘Annabelle’

 

母の日の鉢物としてアジサイが多く流通するようになりました。国内の育種家による目新しいアジサイが毎年発表される他に、海外の品種もたくさん輸入されています。一昔前のガクアジサイ、なんて呼び方が古く感じられるほどです。

 

新旧交代が盛んなアジサイの中で、アナベルと呼ばれるアメリカアジサイの一群は、独特の存在感を放っています。最大の特徴は「新枝咲き」であることで、アナベル以外にこの特徴を持つアジサイは、開花期の遅いノリウツギくらいで珍しいものです。

 

アメリカアジサイ自身の育種も進んでいて、ざっと見渡しただけでもピコティ・シャルマン、ル・パルフェ、ル・マニフィーク、ピンク・ピンクッション、ベラアナなど、ピンクアナベル以外にも品種が増えてきました。

 

残念なことにピンク以外の色幅はありません。いつか、紫陽花のように多彩なお花を咲かせる、アナベルの仲間が生まれるその日を楽しみにしています。