Iris domestica
古来よりヒオウギの種子をこう呼び、和歌や俳句にも枕詞としてよく使われてきました。「ぬばたまの黒髪…」なんて表現を見たことのある人も多いと思います。
黒い色や暗いことの表現として使われるので、なんとなく黒い色の物なんだろうなぁと想像している人は多いと思いまが、写真のコレ、この黒い球のように見えるヒオウギの種子がぬばたまです。
黒い色の部分は種皮と呼ばれるタネの皮で、実が割れてむき出しになっている状態です。種子の塊の下の部分に、白っぽい薄茶色の殻のような物が付いているのが分かると思いますが、これが果皮(実の皮)です。
ヒオウギのお花は夏に咲きます。お花もオレンジ色で特徴があって、以前はアヤメとは別属になっていたくらいなので、形もアヤメらしくありません。育てやすい宿根草なので、お花と種子とどちらも楽しめるヒオウギ、お庭の一員に加えて欲しいと思います。