丈夫なピンク

チオノドクサ・ピンクジャイアントの花

この時期になると紹介したくなる、ペレニアルガーデンの春咲き球根を象徴するピンクのお花は、チオノドクサ・ピンクジャイアントといいます。青いお花を咲かせるギガンティアとともに、秋植え球根として並んでいることが多いので、見たことのある人も多いかもしれません。

シラーに近い仲間とされていて、原種は青系の花色です。いくつかの原種と園芸種が流通していて、白花もありますがピンクは比較的めずらしいものです。チオノドクサが含まれるキジカクシ科のツルボ亜科には他に、シラー、ヒアシンス、ムスカリなど春咲きの球根類が多く含まれています。

それらはいずれも青から青紫の花色が中心で、基本種の色変わりとしてのピンク品種が流通していますが、育てやすいという話をあまり聞きません。どちらかというと、庭に植えていたら青と白だけになってピンクが消えた、ピンクと青の寄せ植えを育てていたら青だけになってしまった、というような話を聞きます。

ところがこのチオノドクサ・ピンクジャイアントに限っては当てはまらず、むしろ青より強いよく増える品種です。ガーデンでは何度かギガンティアやフォーベシーなどの青いチオノドクサを植えていますが、休眠中に枯れることが多いのか長持ちしません。けっきょくピンクジャイアントだけが毎年増えているということに。

交配種なので雑種強勢が発揮されているのか、もともと丈夫な品種の掛け合わせなのか、いずれにしろ今年もあちこちでピンクジャイアントが元気に咲いています。