ツルボとネジバナ

ツルボ

Barnardia japonica

ツルボは夏のお花というより、お盆のお花というイメージがあるのですが、今年は二週間ほど早く咲き始めています。

河原の土手や線路沿い、丘陵地帯の空地や田んぼの畦など、ツルボはいろいろな所で見ることが出来ます。日当たりの好き嫌いは多少あるようで、全日射の環境よりも半日陰や木もれ日程度を好むようです。

いずれにしても極端に乾燥する場所は苦手で、他の植物にまぎれるように適度な湿り気のある環境を選んで生えています。似たような植物にネジバナという野生ランがあります。

ネジバナもツルボと同じような環境を好み、春から初夏にピンク色のお花を咲かせます。芝生や道路沿いの植え込みなど、ツルボ以上に身近な所で見かけるお花ですが、株の寿命が短いのである年突然消えて無くなることもあります。

スミレと同じで実生による繁殖が中心のネジバナなので、1つの株が長生きするより、あちこちにタネを飛ばして増える方が早いという自然の判断なのかもしれません。

球根植物のツルボはネジバナとは逆に、好む環境で腰を据えて長く生きることを選んだのでしょう。毎年球根が大きくなり数を増やして、一面がピンク色に見えるほどの大群落を作ります。

個人で楽しむには、あまりに増えすぎるのは困りものですが、ツルボくらいの増え方ならときどき掘り上げて知り合いに分けたり、別の場所に移動したりとガーデニングを楽しむ要素になってくれると思います。