ジャノメチョウ

ジャノメチョウ

Minois dryas


翅の裏側にも蛇の目模様がありますが、表側の蛇の目のほうがきれいな感じがします。この模様は専門的には眼状紋(がんじょうもん)といいますが、ジャノメのほうが身近な感じがしますね。

日本全国で見られる普通の蝶なので、子供の頃に野山で遊んでいた人はどこかで見かけたかもしれません。写真の通りに茶色で地味な蝶なので、昼間から飛んでいる蛾(ガ)と思われることも多いようです。

それでも蛇の目の中には淡いルリ色が入っていたり、よく見ると複雑できれいな模様をしています。食草がススキなのもあって、人に近い存在なのですが暗い環境を好むのと、非常に警戒心が強いので蝶のほうから人を避けてしまいます。

夏のお花に日中やってくることが多いので、ヒメヒマワリやマツムシソウ、フジバカマの仲間などを目安に探すと、比較的かんたんに見ることが出来るでしょう。

この蝶にはとても変わった性質があって、卵を食草のススキに直接産み付けずに、周囲の地面に産み落とす放卵という産卵をします。子供の頃からスパルタ教育、というのはときどき聞きますが、卵のうちからスパルタだなんて、ジャノメチョウのお母さんはかなり厳しい教育方針ですね。