シラタマソウ

しらたまそう

Silene vulgaris

 

シラタマノキやシラタマカズラ、シラタマホシクサなど、「しらたま」と付いた植物はどれも実やお花の集合体が白玉に見えます。ぜんざいやお団子など白玉は縁起の良い食べ物であり、カイコの繭になぞらえた豊穣の象徴でもあり、白玉を特別視するのは日本の風土に根ざしたものです。

このお花にシラタマソウと名付けられたのも、そんな意味から……とは思えないのが困りもの。「白い花の咲く玉のような草」とでも言えばいいでしょうか、玉のようにふくらんだガクの部分はまったくもって白くありません。ユニフローラ種のガクのほうが、よっぽど白くなります。

写真の左奥の株は、少し色が薄くなっていますが、それでもまだまだ。切り花向けに選抜されたグリーンベルでも、緑白色にはなりますが白ではありません。いったい何を思ってシラタマソウと名付けたのか。

お花の名前を調べていると、ときどき首をかしげたくなる名前に出会います。和名でも学名でも同じように、なぜ!? と言いたくなるものがありますが、よくよく調べると、とても面白い由来があったりします。このお花にもあるのでしょうか? どなたかご存じであれば教えていただきたく思います。