キスゲの花、咲く頃

黄色のヘメロカリス

ヘメロカリスといえば、初夏から夏にかけてお庭を明るく飾る、人気の宿根草として知られています。今では八重咲きや二色咲き、白、ピンク、オレンジ、赤やチョコレート色など、色とりどりで様々な品種が流通しています。

和名ではワスレグサともキスゲともいいますが、ヘメロカリスのほうが知っている人も多いでしょう。日本や中国原産の種類で、欧米で品種改良されて逆輸入されているお花の一つです。アスチルベやユリと同様ですね。

身近な存在のヘメロカリスは、ノカンゾウやヤブカンゾウといった春の山菜として知られているものがあります。ニッコウキスゲやユウスゲ、珍しい所ではエゾキスゲやトビシマカンゾウといった、群落地で有名な野生種も各地に存在しているので、ヘメロカリスのオリジンに迫りたい方は見に行くのも良いと思います。

英名でデイリリーと呼ばれるとおり、一日花なので咲いたお花は翌日までにしぼんでしまいます。曇りや雨の日だと少し長持ちしますが、咲き始めるとほぼ毎日つぎつぎ咲きますので、つぼみの数が開花期間です。

固有の害虫として、キスゲフクレアブラムシという、白いアブラムシがつぼみの頃からたくさん群がることがあります。ただ、このアブラムシは近くにゴンズイやミツバウツギという、庭木として使われることが珍しい樹からやってくるので、都市部の方は心配要らないと思います。

残念ながらペレニアルガーデンでは、毎年このアブラムシが付いてしまいます。都会の方も台風の後などは注意して、見つけたらすぐに駆除して下さい。