クジャクシダ

クジャクシダ

Adiantum pedatum L.

 

クジャクが羽を広げた姿になぞらえた、純日本産のアジアンタムです。観葉植物としてお馴染みのアジアンタムは、耐寒性の無い常緑のシダですが、クジャクシダは冬に地上部が枯れる宿根草で高い耐寒性があります。

北海道から本州に広く分布して、四国や九州にも一部自生地があります。北方系の植物なので、標高の高い所で見ることが出来ます。山梨ではだいたい標高が千メートルを越える辺りで多く見られます。木もれ日程度の明るい日陰から、北側の完全な日陰まで見られますが、どちらかというと明るい日陰に多いようです。

芽出しの頃はオレンジ色から朱色、徐々に赤紫と変化する葉色が美しく、古くから日本庭園で利用されてきました。草物盆栽や山野草としても人気があるので、お祭りの夜店で売られていることもあります。

強い日射しや乾燥を避けて、水捌けの良い場所に植えておけば、少しずつ大きな株に育ってくれます。クサソテツやゼンマイ、イノデといったシダも庭植えに向きますが、ふんわりとした繊細なグリーンを楽しむにはクジャクシダが一番と思います。