Hyacinthoides hispanica
園芸的には今でもシラー・カンパニュラータのほうが通りがいい、ヒアシンソイデス属の春咲き球根です。なにかと紹介することの多いお花なのですが、このお花がイギリス本土で問題になっていることはご存じでしょうか。
日本ではこのヒスパニカ種も「イングリッシュ・ブルーベル」と呼ばれることがありますが、本来のイングリッシュ・ブルーベルは H. non-scripta という種類で、お花は小さめで片寄って咲く特徴のある種類だそうです。ヒヤシンスに似た甘い香りもあるとか。スパニッシュ・ブルーベルは園芸種として導入されましたが、野生化してイングリッシュ・ブルーベルと雑種になったり、生育地を広げた結果、純粋なイングリッシュ・ブルーベルはかなり数を減らしてしまったそうです。
イングリッシュ・ブルーベルの自生地は保護され、野生個体の栽培や取引は禁止されています。元から園芸化されていたものが、日本にも輸入されているそうですがあまり見掛けることはありません。日本ではすでにスパニッシュ・ブルーベルが普及しているせいでしょうか。
香りが無いのは残念ですが、丈夫でお花も大きくきれいなスパニッシュ・ブルーベルがあるのですから、希少なイングリッシュ・ブルーベルは自然なままそっとしておきたいものです。