「和テイスト」という表現がありますが、素直に和風でいいんじゃないかと思ってしまうのはわたしだけでしょうか。日本庭園では石組みが重要な要素で、ガーデニングにおいても石組みとお花の組み合わせは和を感じさせると思います。
日常ではついつい「岩」と表現してしまいますが、大きな石であって岩とは別なのですが、細かいことは気にしないのも趣味の在り方と思います。岩組(いわぐみ)は本来は石組みとは別なものを指していたのですが、今ではどちらの意味にも使っています。
さてそんな石の役割として、景観のポイント以外にも保温という重要な要素があります。物の温まりやすさ(冷めやすさ)を比熱という言葉で表現しますが、石は比熱が高い物質として知られています。保温力が高いともいえます。
その為、石垣の間に植えた植物や石組みの根元に植えられた植物は、成長が早かったり開花が早かったり、寒さによる害を受けにくくなったりします。園芸的なテクニックとしても使われますが、日本人的な感性としては「自生地の再現」でも行われます。
石組みの間にクリスマスローズというのは和風な感じですが、実は自生地の再現にもなっています。原種のムルティフィダスやトルカータスなどは、石灰岩が積み上がった土地に生えていることが多くて、岩の間に堆積した腐葉土に根を張っているそうです。
岩とクリスマスローズのコラボ、見た目以上によいものかもしれません。