ウバユリ

Cardiocrinum cordatum

 

名前は知らないけど、見掛けたことはあるお花というのは、あんがい多いものかもしれません。ウバユリもそんなお花の一つで、里山の林縁で多く見られます。ペレニアルガーデンでは特に植えたわけではありませんが、近所の雑木林から飛来したタネから生えた株が、所々で咲いています。

 

なぜか今年は目立つところばかりにあって、いつもの年より人目をひいているように思います。ユリというには地味な汚れた印象のお花なので、ことさら好んで植える人は少ないようです。

 

良く見るとお花の奥にはえんじ色の斑点がたくさんあって、斑点の量は地域差があるようです。南に行くほど多くなる傾向と聞いています。特に九州には全面に広がる個体群があって、アカバナウバユリと呼ばれています。

 

中部以北の標高の高い地域や北海道には変種のオオウバユリがありますが、特に北海道のオオウバユリはアイヌの人たちの伝統食として重要だったそうで、各地に保護している場所があります。

 

春の芽出しの頃は山菜と間違われやすい美味しそうな葉をしています。間違って食べたことがあるのですが、とてもえぐみが強くて食べられたものではありませんでした。毒ではなかったのがせめてもの慰めです。