タカネエビネ

Calanthe x bicolor

 

日本の野生ラン、ジエビネとキエビネの自然交雑種です。ややうつむき咲きになっていることからヒゴエビネか、サツマエビネかもしれません。ヒゴエビネはキリシマエビネとキエビネの、サツマエビネはタカネエビネとキリシマエビネの自然交雑種です。

 

昭和40年代から始まったエビネブームは、各地で自生のエビネの乱獲をまねいてしまい、今では野生のエビネを見ることは難しくなってしまいました。山梨県ではジエビネが自生しています。わたしが子供の頃には自転車で行ける範囲で、数カ所の自生地がありましたが、どこも宅地と道路になってエビネは無くなってしまいました。

 

今でも何カ所か自生している場所を確認していますが、いずれも意外な場所というか人目に付かないところです。人気が下火になったことで難を逃れたのかと思うと複雑な気持ちです。一度無くなった自然を回復するには、10倍以上の時間と労力が必要と言われます。大切にして後世に残していきたいものです。