Chrysanthemum pacificum
花占いで花びらをすべて摘まれてしまったように見えますが、これでちゃんとしたお花です。イソギクはキクの仲間ですが、いわゆる花びらに見える舌状花(ぜつじょうか)がありません。筒状のお花が束ねられて黄色い一粒になっています。
キク科のお花にはイソギクのように舌状花を持たない種類がけっこうあります。雑草になるノボロギク、ダンドボロギクや、ガーデン向きの宿根草の一つのリアトリスもそうです。アザミの多くも筒状花(とうじょうか)だけのお花が咲きます。
このような違いがなぜ生じるのかを考えていると、もともと生えていた場所や環境に思い至ります。植物にとって最も大切な、「種子を作る」という子孫を残す作業において、花びらの有無が有利になったり、不利に働いたりするのかもしれません。
お花の形態一つを取っても自然の面白さを感じます。