Cerasus subhirtella (Miq.) S.Y. Sokolov ‘Jugatsuzakura’
なんどかご紹介している十月桜、今年もようやっと秋のお花がきれいに咲いてきました。いつもより遅く咲いているせいか
ピンクが濃く出ているように思います。
真冬はいったん休みますが、早春にもう一度満開期を迎える不思議な咲き方をします。桜といえば春のお花。日本人にとって
それが当たり前だと思うのですが、この十月桜は名前の通りに秋にも、そして春にも咲いてくれます。
ヒマラヤザクラ(Prunus cerasoides)という、ヒマラヤ起源の晩秋から真冬にかけて咲くサクラがあります。お花の雰囲気は
サクラというよりカイドウや梅に似ていて、学名もサクラがもともと属していたスモモ属の植物です。サクラの分類は
今でも Prunus に含めることも多いので、広い意味では姉妹のような存在ですね。
エドヒガンとマメザクラ(フジザクラ)の交配種といわれていて、分類的にはコヒガンザクラ(小彼岸桜)の一つです。
なぜこの品種は秋にも咲いてしまうのか、園芸的にも植物学的にも面白いところです。