聖母マリアのユリです。古代より神聖な花として、また純潔・無垢の象徴として崇められ、人類との関わりが深い花です。高級香水としても利用されたようです。
確かに、他の多くのユリとは少し違った高貴な雰囲気が感じられ、香りもしつこさが無く、花粉もそれほど気になりません。
イスラエル原産で、欧州各地に野生化しています。現在、切り花などの利用は生産性の高いテッポウユリなどに取って代わりましたが、やはりこの良さはマドンナリリーならではのものです。
育種すれば良いように思うのですが、園芸品種はほとんどありません。性質もかなり異なり、上根の出ないユリとしても知られ、栽培に当たっては、深鉢に浅植えにして、下根をしっかりと張らせることです。夏の間は乾燥気味にしておき、秋からの生長期に肥培して球根を太らせることがポイント。
ところで、マドンナと名のつく植物、意外にも本種の他には見あたらず、不思議です。マドンナローズとか、あっても良さそうですが。
次回は「アガパンサス」をご紹介します。