菊でもないのに秋明菊と呼ばれますが、秋の花として広く親しまれ、庭植え、鉢植え、切り花と利用の多いポピュラーな花です。
もともとは京都の貴船に多く見られた赤紫八重咲きのものがキブネギクと呼ばれ、これが本来の秋明菊なのですが、近年は、白花一重咲きを始め、多くの品種が出回り、総称的に秋明菊の名前が使われ、さらに、春咲き秋明菊、夏咲き秋明菊などのように、どこまでを秋明菊と呼んでいいかわからないものもあります。
草丈は20cm~200cmとさまざま、丈夫な宿根草で、通路にまではみ出してよくふえます。また、こぼれダネで芽生えることも多く、時々変わったものが出ます。ヘレボラスの八重咲きに似たものもあり、秋牡丹の名前にふさわしいものです。
ところで、現代版秋の七草というものを作るとしたら、秋明菊はぜひ入れたいものです。他の候補としては、リンドウ、ホトトギス、秋海棠、シオン、ノジギクなども良いと思うのですが、いかがでしょうか。
次回、「十月桜」、12月はウィンターグラジオラスをご紹介します。