Lespedeza thunbergii
ミヤギノハギの標準花と白花です。紅と呼ぶには白っぽいお花に見えますが、花弁の裏側が白っぽいためで、正面から見たお花は紅色です。もっとも、ヤマハギやマルバハギのお花なら全体に紅色なので、しっかり紅白になります。
白花萩として流通しているハギのほとんどはミヤギノハギの白花です。ヤマハギやマルバハギも白花がありますが、あまり流通していないようです。秋の七草に数えられる萩の花ですが、そのハギがどの種類であったのかはいろいろ議論されていて、このミヤギノハギも候補の一つです。
秋の七草は、萩・尾花・葛・撫子・女郎花・藤袴・朝貌の7種が上げられています。この中で朝貌(あさがお)が現在のどのお花なのか諸説あるのですが、一般的には桔梗(キキョウ)説が有力です。もう一つの有力な説がムクゲのお花で、秋の花としてはどちらも選ばれて不思議はないと思います。
さてここで少し疑問に思うのが、「七草」であるのにイの一番に萩が上げられていて、萩は樹木じゃないのか? という点です。朝貌が桔梗なら萩以外は全て宿根草なので、七草といういい方にも納得できます。その場合の萩は、キハギとも呼ばれる樹木の萩ではなくて、フタバハギなどの宿根草のハギの花なのかもしれません。
逆に朝貌がムクゲなら、ムクゲも樹木なので七草ではありますが、樹木のお花でも区別なく選ばれているという事になるのですが、さて、真実はいったいどちらなのでしょうか。