Keiskea japonica
霜柱に花だなんておかしな話? ですね。こちらは植物のシモバシラで、シソ科の宿根草です。以前に名前の由来などを紹介しましたが、近年は「霜柱ができる植物」として紹介されることが多いようです。
9月頃に咲く白いお花も清楚な感じで良いのですが、茎が倒れて育つことが多いので行儀の良い咲き方ではありません。山野草として育てる場合は、排水の良い用土で締めて作ると茎が伸びにくくなり、真っ直ぐ育つので見栄えがします。
自然界では他の宿根草に支えてもらいながら伸びるので、寄りかかる対象があれば倒れずに1m程の高さで咲いてくれます。写真のシモバシラは横に倒れて咲いています。お花だけは上に向かって伸びようとするのが、頑張っているようで可愛いものです。
これは植物が持っている走性(そうせい)という性質で起こる現象なのですが、お花が上に向かって伸びようとする性質を「負の走地性(負の重力走性)」といいます。重力に逆らって反対方向に伸びようとする性質です。
逆にほとんどの植物の根っこは正の走地性があるので、重力に沿って伸びる、地面に向かって下へ伸びることになります。走光性という光に対する性質もあるので、植物はいろいろな環境の変化に合わせて成長できるというわけです。
実際のメカニズムには、植物ホルモンが係わっていて面白いのですが、その話はまたの機会に出来ればと思います。もちろん、ご自身で調べてお花に対する造詣を深めるのもおすすめです。