純白の宿根フロックス

フロックス・フジヤマ

Phlox paniculata ‘Fujiyama’

こちらの宿根フロックスは、いまだに根強い人気を持っている古い品種です。耐病性に難があって、うどんこ病に弱いため管理が悪いと極端にお花が少なくなることもあります。もともと花つきの良い品種なので、そういう場合でも切り戻して秋に咲かせるということは出来ましたが……

今年のような長雨の続く年は、さてどれ程酷いことに……と思っていたのですが、意外とうどんこ病の発生が遅くてきれいに咲いてくれました。写真に写っていない下の方の葉は、表面が真っ白に見えるほどですが、お花には影響が出ていないようです。

病気に弱いとはいっても、そこは自然の中で育って生きてきたお花ですから、長い間に少しずつ強さを獲得しているのかもしれません。実生でもないのにそんな事が起こるのか? とも思いますが、栄養繁殖でも「芽変わり」「枝変わり」といって親と違う性質の新しい芽が育つこともあります。

お花の色が変わったり、葉に斑が入ったりすればすぐに違うと分かりますが、成長が早いとか大きくなるとか、あるいは病気に強くなったなどは分かりにくいものです。古典園芸植物の中には、そのような性質の違いに焦点を当てて、同じ品種でも「〇〇系」と区別することもあります。

長く人に寄り添ってきたお花ならではの変化と言えます。温故知新というわけではないですが、このフジヤマのような古い品種を見直すと意外な発見があるかもしれません。