Lilium lancifolium Thunb.
オニユリの名前の由来を調べていると、「赤鬼になぞらえている」「大きくて強いさまの例え」という説明が見つかります。ふむふむ、なるほどと思うところもあるのですが、うーん、オニ? なぜ悪いものに例えたのだろうという疑問は感じました。
さてここで「鬼=悪い」というイメージと、オニユリの名付けにどのような関係が有るのかがポイントになります。古くは鬼と書いて「もの」と読んでいて、人に悪さをする化生や悪霊に対して使われる表現でした。対して「オニ」とは「穏(おん)」から転じた言葉とされて、隠れているもの、ひそむものの意味であまり悪いイメージではなかったようです。
詳細の説明はしませんので、興味のある方は調べて頂きたいと思います。ただ、古くはオニにはマイナスのイメージよりは、大きいもの、強いものを示す表現だけが有った、ということだけ理解して頂ければ、このお花にオニユリと付けられた理由も分かると思います。
病気に強くて育てやすく、大きく立派に育って目立つお花を咲かせます。最近では「オニ強い!」なんて表現もあって、オニもプラスのイメージで使われることが増えてきました。言葉も回帰するのかもしれません。
夏の暑さに負けず手の掛からないオニユリ、ぜひお庭で楽しんで下さい。